WEKO3
アイテム
Online コミュニケーションにおける社会的存在感
https://doi.org/10.20558/0002000089
https://doi.org/10.20558/0002000089f90daf9c-9ecf-4c12-b209-5d220d5be571
名前 / ファイル | ライセンス | アクション |
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Item type | [ELS]紀要論文 / Departmental Bulletin Paper(1) | |||||||||||||
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公開日 | 2024-06-04 | |||||||||||||
タイトル | ||||||||||||||
タイトル | Online コミュニケーションにおける社会的存在感 | |||||||||||||
言語 | ja | |||||||||||||
タイトル | ||||||||||||||
タイトル | Exploring Social Presence in Online Communication | |||||||||||||
言語 | en | |||||||||||||
言語 | ||||||||||||||
言語 | jpn | |||||||||||||
資源タイプ | ||||||||||||||
資源タイプ識別子 | http://purl.org/coar/resource_type/c_6501 | |||||||||||||
資源タイプ | departmental bulletin paper | |||||||||||||
ID登録 | ||||||||||||||
ID登録 | 10.20558/0002000089 | |||||||||||||
ID登録タイプ | JaLC | |||||||||||||
アクセス権 | ||||||||||||||
アクセス権 | open access | |||||||||||||
アクセス権URI | http://purl.org/coar/access_right/c_abf2 | |||||||||||||
雑誌書誌ID | ||||||||||||||
収録物識別子タイプ | NCID | |||||||||||||
収録物識別子 | AB00033691 | |||||||||||||
雑誌書誌ID | ||||||||||||||
関連タイプ | isPartOf | |||||||||||||
識別子タイプ | PISSN | |||||||||||||
関連識別子 | 13453270 | |||||||||||||
言語 | ja | |||||||||||||
関連名称 | 人間文化研究 | |||||||||||||
著者 |
加藤, 琉我
× 加藤, 琉我
× 有馬, 淑子
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抄録(日) | ||||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||||
内容記述 | 本研究は,オンラインで行われるコミュニケーションにおいて,コミュニケーション相手が実在する人間であるか,はたまた自動返信Botのようなものであるかを,人がどのように判断しているかを探るものである。第1 研究では,チャットコミュニケーション場面において,相手の返答間隔を操作することで社会的存在感がどのように変化するかを,検討する実験を行った。具体的には,返答間隔の異なる動画を視聴させる2 群に分けて,質問紙により測定された社会的存在感を比較した。第2 研究では,信頼ゲームを用いて,自身の選択から相手の選択までの時間を操作することによって社会的存在感がどのように変化するかを,実験的に検討した。本研究の目的は,人間がオンライン上で非言語情報によって感じる相手の存在感を,定量的に推し量ることで,対人コミュニケーションやオンラインサービスにおける新たな知見を得ることである。 第1 研究の目的は,チャットコミュニケーション場面において,相手からの返答間隔が社会的存在感に影響を与えるかどうかを検討することであった。社会的存在感とは,メディアを通じたコミュニケーションの中で,どれだけ相手をそこにいると思えるかという指標である。本研究の方法として,SNS アプリによる個人メッセージやりとり場面を4 分の動画として作成し,実験参加者に視聴させた。動画は,相手からの返答が一定の場合と不定の場合の2 パターンを用意し,これを実験条件とした。動画視聴後の質問紙にて,社会的存在感について尋ねるとともに動画中の文に対する注目度も測定した。最後に,対話相手がBot だと思うか否かを質問したのちに,どのような手がかりでBot と認知したのかを自由記述で問い,探索的な検討を行った。第1 研究の結果としては,返答間隔という条件による社会的存在感の差は見られなかった。また,本文への注目度の差は一定条件のほうが不定条件よりも高く,予想と反対の結果であった。しかし,会話相手をBot だと思うか否かという質問において,性差がみられ,女性のほうが男性よりも相手をBot だと思いにくいという結果が得られた。その理由の自由記述を検討した結果,対話間隔よりも,対話内容の自然さがBot 判断の理由として挙げられ ていた。そこで,対話内容に左右されない実験条件が必要と考察された。 第1 研究の結果を踏まえ,第2 研究では文字を用いないコミュニケーションかつ,自身が参加している状況においてコミュニケーションの間隔が社会的存在感に影響を及ぼすかどうかを検討した。 第2 研究は,クラウドソーシングで実験参加を呼びかけ,対戦相手もクラウドソーシングから応募した人間であると思わせる状況で実験を実施した。その対戦相手との日時指定を了承した234名を対象として実験が行われた。実験はInquisit プログラムにより,は信頼ゲーム場面をブラウザ上で提示して実験参加者に相手との複数回のやり取りを行わせた。相手からの返答間隔を一定,同期,ランダムの3 水準,相手の選択を協力,非協力の2 水準用意し, 2 要因6 水準の実験を行った。また,第1研究で用いた社会的存在感をメディア交流における社会的存在感と再定義し,社会的存在間(交流)と名付けた。そして,新たに対話相手の印象における社会的存在感の尺度を導入し,これを社会的存在感(印象)と名づけた。また,信頼ゲームにおける,実験参加者の選択を相手への信頼感を示す行動指標として測定した。仮説としては,対戦相手が協力する条件下において,非協力条件よりも対戦相手に対する信頼行動が高くなり,社会的存在感が高く認知されると予測した。また,返答間隔が一定<ランダム<同期の順に,上記の影響が認められるだろうと予測した。さらに,第1 研究では男性の方がゲーム対戦相手をBot と認知しやすい結果が見出されたため,上記仮説の効果は男性よりも女性において顕著に見出されるだろうと予測した。 第2 研究の結果は,返答間隔や協力・非協力という条件による投資率や社会的存在感の差は見出されなかった。しかしながら,性別の影響が行動指標・認知指標のいずれにおいても認められた。対戦相手への投資金額として示される行動指標においては,試行を経るごとに高くなる傾向が示され,その傾向は女性よりも男性において顕著であった。社会的存在感(交流)と社会的存在感(印象)については,返答間隔と性別の交互作用が観察された。男性は一定条件において社会的存在感(交流)が高く認知され,女性は同期条件において社会的存在感(印象)が高く認知されていた。Bot に対する性差について,本研究ではこれ以上深く検討する実験計画ではないが,得られたデータから,男性は女性よりも,プログラムを相手とする相互作用に対して親和性が高く,相手から得られる返答の間隔が一定であっても,相手を対戦相手として認めて行動するのではないかと推察される。一方,女性の場合は,自分の返信リズムに同期するようなより人間らしい行動に敏感であり,相手への印象を変化させるが,相手を信頼するかどうかの行動レベルでは男性よりも慎重であると推察される。 第1 研究と第2 研究を通じて,コミュニケーションにおける⽛間⽜は社会的存在感に直接影響を与えているとは言えないが,性差に着目すると,全くの無関係ではなかった。本研究で見出された性差に関わる結果は,異なる要因を導入することで一般化できる可能性はあるだろう。将来的にはより一般的になるであろう人間とAI Bot との対話において,何が人間らしさの手がかりになるのか,より深い検討が求められる。 |
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言語 | ja | |||||||||||||
抄録(英) | ||||||||||||||
内容記述タイプ | Abstract | |||||||||||||
内容記述 | This study explored how individuals differentiate between real persons and autoreply bots in online communication. In the initial experiment, we manipulated the response interval of the other party in a chat-based scenario to examine changes in social presence. The findings from the free-response experiment highlighted the necessity for an experimental condition independent of dialogue content. Therefore, the second study investigated shifts in social presence by altering the time interval between one's own choice and another's choice through a trust game. In the second study, participants were recruited via crowdsourcing platforms and were led to believe that their counterpart was also a participant sourced from the same platform. A total of 234 participants agreed to be matched with an opponent at a designated date and time. The experiment utilized the Inquisit programme, which presented a trust game interface via a web browser, enabling participants to engage in multiple exchanges with their assigned opponents. The experiment comprised six levels, each involving two factors: three response intervals ( constant, synchronous, and random) and two levels of partner selection ( cooperative and non-cooperative) . The hypothesis posited that trust behaviour towards opponents would be higher when opponents cooperate than in non-cooperative conditions, thus anticipating a higher perception of social presence. The findings from the second study revealed a trend where the behavioural index, measured by investment in the opponent, tended to rise across trials, with this inclination being more prominent among men than women. | |||||||||||||
言語 | en | |||||||||||||
書誌情報 |
ja : 人間文化研究:京都先端科学大学人間文化学会紀要 en : Journal of human cultural studies:Human Cultures Association of Kyoto University of Advanced Science 号 52, p. 129-162, ページ数 34, 発行日 2024-03-31 |
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出版社 | ||||||||||||||
出版者 | 京都先端科学大学人間文化学会 | |||||||||||||
言語 | ja |