@article{oai:kyotogakuen.repo.nii.ac.jp:00000933, author = {大野, 彰 and Ohno, Akira}, issue = {1}, month = {2013-09-01, 2018-06-09}, note = {後に米国絹業協会によって「アメリカ標準綛」と命名された綛の原型を開発したのは円中文助である。この綛には繰返し工程における労働生産性と原料生産性を向上させる効果があったので、この綛に仕立てた日本の改良座繰糸や器械糸は価格が多少高くても売れた。生糸価格の増加分よりも賃金支払い額の減少分の方が大きければ、アメリカの製造業者は、結局は利益を得るからである。日本の改良座繰製糸業と器械製糸業は、1870 年代半ばから1880 年代初めにかけてこの綛を導入することによって収益性を向上させつつアメリカ向け生糸輸出を伸ばし、持続的成長(self-sustained growth)の軌道に乗った。この綛の造り方に関する情報には正の外部性があったから、市場に委せたのではこの綛が開発され普及することは困難であった。しかし、円中文助、中野健治郎(=吉田建次郎)、速水堅曹のような政府関係者が情報を生糸生産者に無償で提供することでスピルオーバーが起き、繰返し工程に掛けやすい綛の造り方は速やかに広まった。その結果、日本では大枠の外周の寸法が1 メートル50 センチに収斂する等の現象が起きて綛の標準化が達成され、日本の蚕糸業とアメリカ絹工業の間の連関は一層深まることになった。, 1, KJ00010210159, 論文, Article}, pages = {1--32}, title = {綛の造り方が製糸業の収益性と市場を決めた}, volume = {23}, year = {}, yomi = {オオノ, アキラ} }