@article{oai:kyotogakuen.repo.nii.ac.jp:00000884, author = {大野, 彰 and Ohno, Akira}, issue = {2}, month = {2007-03-01, 2018-05-18}, note = {日本産生糸は品質が低かったので一時期の欧米市場で経糸部門から締め出されたと説く通説は、概ねリチャードソンとプリースンが1890年代に展開した主張に依拠している。しかし、両者の主張を仔細に検討してみると、文言の中に相互に矛盾する箇所や誇張があることがわかる。しかも、共に日本産生糸の短所を一面的に強調する一方で、イタリア産生糸や上海産生糸の短所には口をつぐむなど、その主張は著しく偏っており公平性を欠いている。確かに1890年代に日本産生糸の品質が低下する場合があったが、それは生糸価格が上昇して売り手市場になる局面では、故意に品質の低い生糸を作った方が日本の製糸業者にとっては得られる利益が大きくなったからである。それだけに日本の製糸業者による粗製濫造の根は深かった。リチャードソンやプリースンには、利潤を極大化することのできる生糸品質が日本とアメリカで食い違っていることがわかっていた。彼らは、問題の根深さを知っていたからこそ、品質の劣る日本産生糸はアメリカでは経糸として使用されないという嘘をついてまで日本側の行動を変えさせようとしたのである。彼らの真意は日本の製糸業者による意図的な品質の切り下げをやめさせたいという点にあり、日本産生糸はアメリカでは経糸として使用されないという主張は単なる脅しないし誇張に過ぎず、事実を歪曲している。時人が虚実を取り混ぜた主張を展開している以上、虚と実を見分けることは、後世の歴史家が果たすべき任務である。ところが、通説は、リチャードソンやプリースンの主張を真実と誤認した。実際には、信州上一番格生糸も含めて日本産生糸が欧米市場で経糸部門から締め出されたことなど初めからただの一度もなく、日本産生糸は一貫して経糸としても使用されていたのである。, 1, KJ00004993541, 論文, Article}, pages = {1--39}, title = {海外市場における日本産生糸の用途に関する学説の生理と再検討}, volume = {16}, year = {}, yomi = {オオノ, アキラ} }